芸術は分かりにくさの中にも宿る

画像検索すると大体上位に入ってくるちょっと迷惑なサイトPinterest。具体的にどう迷惑なのかは置いといて、不本意ながらついにあれを利用し始めた。

Pinterestは一言でいうと画像収集系のSNSで、自分の場合モチーフに使えそうな意匠や衣装を浴びるように見て楽しんでいる。

 

とにかく目についた面白そうな物は保存しまくっているが、なぜかアニメっぽいものだけは避けている。具体的には鎧なんかでも本当に戦いに用いられてそうな物は保存するが、ゲームのキャラが着てる・着てそうなものは避けるといった具合だ。

どうして避けるのか。分かりやすくデザイナーの手が入ったものをモチーフにしてしまうことを危惧しているのか。考えてみるとそうではなかった。

 

結論から言うと商品か芸術品かという違いだった。

客への求心性を重視する商品としてのデザイン、それは分かりやすさのために分かりにくさを削いでいく作業だ。

 

中でも色彩に関してが一番明瞭で、

各所で明度や彩度の大きく離れた色味の画面をチグハグな色使いだとしたり、
その逆のものをボンヤリしてダメといったり、

補色のように色相が大きく離れたものを嫌って別の色で仕切ったものを使ったり、
嫌いだけど敢えて使ってみたり…。

デザインにおける色彩の良し悪しは「分かりやすさ」に比重を置きすぎているように感じる。

 

もちろんそういったものが嫌いなわけではない。ただ自分の知らない文化圏の芸術作品に目を向けると、チグハグ上等ボンヤリ上等とルール無用で作った面白いものがたくさんあるのだ。

分かりにくいものの中にも美しさや面白さは存在する。分かりにくさ、はっきりとしないぼんやりしたものも利用していくことで芸術的表現の裾野は広がる。

 

そういったものまで盛り込める手腕を持つことはすごくカッコいいと思うので、自分も積極的にそういう物を作って発信できたらいいな。