昨日 須磨の塩屋海岸で拾った石たち。こちらが今回綺麗にして使う方。写真撮ってから「ちょっと多いな」と思って4つほど二軍に降格させた。こっちが二軍。多分使わないけどせっかくだからと持って帰ってきた石。これらは実家の庭に隠すように置いておいた。
結局洗浄して手元に置いておく石は5つ+1になった。
この+1は二軍の写真中央下の緑の石。小さい石も1つ、いつでも使える状態にしておきたかったので。これらをまず歯ブラシと中性洗剤で入念に擦って汚れを取り去る。
隅に汚れが入り込んで凹凸が強調されている石も好きなので洗う前に3つほど写真を撮った。かっこいいよね。余談だけどこれ、2,3枚目の石は「層状チャート」ってやつかな。(参考元:http://geoharumi.blogspot.com/2013/10/blog-post_12.html?m=1)川原で「ゴツゴツの石拾ってきて」といったら、みんなこの石(チャート)を拾ってきました。って記述もピッタリなのでチャートなのは間違いない。基本ツルツルまんまるな海の石の中で、ゴツゴツしたのはこいつらぐらいなもんだった。
次に100均のアルミ鍋で石を煮て煮沸消毒していく。天日干しや熱湯消毒などの方法もあるけど、煮沸消毒が一番強力らしい。
アルミ鍋はキャンドゥとセリアにはなく、最後に行ったダイソーにあった。余談だけど俺の100均の探し物は大体ダイソーにあることが多い。前者2つは実用的な物よりおしゃれ志向に振ってる感じだからね。
まずお気に入りでない石から煮た。まあまあ調べたけど煮沸消毒の際の火加減についての情報がなかったので中火でやった。あ、きちゃない灰皿が写ってますが僕は喫煙者ではないです。(謎の自己保身)煮ていくと謎の灰汁がどんどん出てくる。何これ?すくい取った方が美味しくなったりする?と思ったら音を立てて消えた。何なんだ。灰汁はその後も出ては消えを数度繰り返した。どうやら大きな石が入っていると水が温まるのが遅いようなので、この辺で火加減を中火と強火の間にした。
そうしているうちに、煮だった!恐いので離れる。
煮沸消毒の時間は、(靴や布などの場合)基本5分程度だとか、アクアリウム趣味の人は20分やってたりだとかで「これだ!」という目安がなかったので俺の感覚で沸騰してから10分に決めました。
後で知ったのですが、日本の病院などで使われている熱水消毒の規定は「80度の熱水に10分」なのでやっぱり10分でよかったっぽいです。「80℃10分間の処理により、芽胞を除くほとんどの栄養型細菌、結核菌、真菌、ウイルスを感染可能な水準以下に死滅または不活性化することができる。」だってさ。
そして特に問題なく10分経ち、その後は火を止め気持ち冷ましてから取り出しました。選手交代。この灰汁って石の種類関係なく出るんだなぁ。沸いたら時間を計って煮沸→ちょい冷まし→取り出し。大丈夫そうだったので今度は15分煮沸した。オッケー ラスト1個。ぐつぐつ。
完成!どれも落ち着いた色味で派手さこそありませんが、いぶし銀的な鈍い魅力を放っており なんだか壮観に見えます。
次はこの石の中から1つ選んで、実際に植物に着生させてみる記事を書きます。
ところでこの細かに白色の溝の入った黒い石は特に気に入っているのですが、こんな石ほかには落ちてなかったんですよね。なんなのでしょう。
これはこういう種類の石というより、2種類の岩石が薄く何層も合体した石なのだと思います。なので、この石がもっと欲しかったらどこの地層から削れ出た物なのか、産地を特定しなければなりません。
そして素人勘ですが、この白い部分の色と層の薄さと削れて溝になっている脆さから察するに、これは火山灰が積層しているのではないかと思います。火山灰と黒い石のミックス。
一度詳しい人に見てもらいたいですね。
(2020/7/23・追記)
Twitterにていわに詳しい イシツブテ Lv.10010 ᕙ( ˙ㅂ˙ )ᕗ(@Geo_dude_1456)さんから、珪長質な溶岩のようにみえる・安山岩かな と教えていただきました。
また微かにキンッという音がするという特徴から、須磨だと現地のものではないかもしれないが、瀬戸内海あたりに「瀬戸内火山岩類」というのが分布しており、サヌカイトが採れる という文脈でサヌカイトのことも併せて教えてもらいました。
ラッシャイᕙ( ˙u˙ )ᕗ
— イシツブテ Lv.10010 ᕙ( ˙ㅂ˙ )ᕗ (@Geo_dude_1456) 2020年7月23日
おお〜〜〜珪長質な溶岩のように見えるなー!安山岩かな?
うーん、須磨あたりだと、現地のものではないかもしれないが、瀬戸内海あたりに「瀬戸内火山岩類」というのが分布していてな、同じようないい音色の石がとれるんだー!サヌカイトというから調べてみてくれよな!
以下は頂いたアンサーを元にこの石がどういったものか調べたものです。
また、採取当時にチャート・溶岩・黒曜石などではないかと自分で調べた跡も消さずに残しておきます。
溶岩
多孔性で、二酸化ケイ素の含有量が多いほど粘性が大きく、
(日本を含む太平洋周辺の火山の)溶岩は二酸化ケイ素成分の少ないものから順に、玄武岩→安山岩→デイサイト→流紋岩 である。
珪長質岩(フェルシック岩)
輝石・角閃石などの苦鉄質鉱物に乏しく、長石・石英などの珪長質鉱物に富む岩石。
二酸化ケイ素含有量から定義された酸性岩とほぼ同じ意味で用いられることも多いが、定義が異なる。
安山岩
火成岩(マグマが冷え固まった岩石・若干の異物を取り込んだものを含む)の一種。殆どが非アルカリ質だが、ごく稀にアルカリ岩系列のものも存在する。
安山岩は斑晶および石基として、
有色鉱物である角閃石・輝石・磁鉄鉱(稀に黒雲母・かんらん石)、
無色鉱物である斜長石(稀に石英)等を含む。
(→下記の「石に白い脈をつくるものの候補は石英・方解石・沸石など」という自分の調べた情報と合致し、矛盾しないことからも安山岩なのだと思う。)
また、安山岩の中にもボニナイト(無人岩)などガラス質のものがある。(この石も少しガラス質っぽい感じ)
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(以下、採取当時に自分が調べた跡)
(追記:上記の石について頑張って調べた)
まず本屋で石の本を流し読みして「強いて言うならチャートが近い…のかな?」という結論に至りました。
http://geoharumi.blogspot.com/2013/12/blog-post_18.html?m=1
石に白い脈をつくるものの候補は石英・方解石・沸石などだそうです。その中でも「方解石(カルサイト)の脈」か「沸石(ふっせき・ゼオライト)」が近いと思いました。どちらもナイフやハンマーで簡単に傷がつく程度の硬さが特徴で、方解石は塩酸で泡を出して溶ける・沸石は溶けないのが特徴だそうです。
「沸石(ふっせき・ゼオライト)」の項目に載ってた写真を見るに、なんとなくキラキラしてる感じが似てるのでこっちかな?と思います。
また、その他には石膏なども石に白い脈を作るそうです。
http://geoharumi.blogspot.com/2013/12/blog-post_11.html?m=1
灰色~黒のチャートは炭素化合物や硫化鉄を含んだものらしい。
また2,<結晶片岩の色> という項目で、石が「低温高圧型の変成作用をうける→色付きの鉱物が生じる→その色の変成岩になる」という結晶片岩というものも紹介されており、その項目の4枚目に似ている画像が貼られている。結晶片岩はそれぞれ、
- 泥質の岩から変化すると黒色・その他の色になる。泥質片岩・黒色片岩・石墨片岩などと呼ばれる石になる。細かい白雲母(絹ウンモ)がたくさんできると、きらきらみえるかも
- チャートが変化した場合は白色やピンク色になる
だそうです。
その下項目に出てくるの「ガラス質で黒色の溶岩・黒曜石」も似てるような…。黒曜石なのかなぁ?
そう言えばこの石は爪で弾いたりコンクリートの上に置いた時にガラスや金属のようにキンッ・リンッと音がするんですよね。
音がする石で検索してサヌカイト(讃岐岩)を知ったときはこれか!?と思ったけど音を聞くと全然違った。人の頭2つ分ほどの大きさの石を叩いていたが聞き取れる高音だった。僕のはお年寄りだと聞き取れないほど高い音がする。
指で弾いたときに清音を発するのは「硬さ」によるものだそうです。(http://ishicoro.sakura.ne.jp/tamagawa2.html)
断面はこんな感じ。この石は硬く脆いようで、こんな風に表面がポロポロとあちこち欠け落ちている。
(http://www.eva.hi-ho.ne.jp/suruga/kokuyopage.htm)なんとなく断面の質感や白い粒が混ざってる感じが黒曜石っぽいのかなと思う。黒曜石も不純物入りだと案外こんな見た目になるっぽいし…。
「茅野駅 黒曜石」でググってみてほしいんですが、これとか似てませんか? https://4travel.jp/travelogue/10394349 (一番似てる角度の写真が載ってるサイト。3枚目のやつ)
うーん何なんだ。