第二訂 ネオレゲリア情報まとめ

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こちらの記事は以前の「ネオレゲリアに関する情報まとめ」の情報を取捨選択・追記した改訂版です。内容の大部分が重複しているので前述の記事は読まなくても問題ありません。

ネオレゲリアに関する情報はネットで探しにくいので、自分の集めた情報をこのページにまとめておきます。何か新たに分かったことがあれば随時追記します。

 

概要

ネオレゲリアはブロメリアの一種。ブラジルを中心に分布し、特徴として小型であることと硬葉系のタンクブロメリアであることが挙げられる。

タンクブロメリアとは、葉が重なり筒状になっているところに水を貯めておくことができ、そこから水と養分を吸収して成長するタイプのブロメリアで、こういった特徴の植物はピッチャープラントと呼ばれる。

ネオレゲリアは現地ではすでに絶滅が危惧される植物となり、原種が貴重な存在になっている。

 

育成について

用土・鉢

ネオレゲリアは樹などに根で着生して生息する着生種だが、鉢に植えたほうがよく成長するらしい。強健なので発根しなかったりそもそも植えなかったりしても枯れはしない。

水はけと水持ちがいい土を選べば特に用土を選ばない。よく使われる用土は、水苔・ヤシチップ・バークチップ・軽石赤玉土・「中粒のバークチップ・軽石赤玉土を同じ割合で混ぜたもの」など。鉢を倒してもこぼれない水苔がおすすめ。植え替えを行うなら春。

鉢も多分なんでもよいが、推奨されていたのは乾燥しすぎもだめという理由からプラ鉢。さらにいうと呼吸しやすいのでスリットのプラ鉢が良いらしい。素焼きや駄温鉢でもよい。

 

水やり

水やりは筒の中に入れて行う。目安としては筒の水の減り具合をみて週1~2回程度が基本。しかし硬葉系のタンクブロメリアは乾燥に強いものも多く、2週間ほど水をやらなくても枯れないため水やりに関してそれほど神経質になる必要はない。

筒の中の水を全て入れ替えるつもりで、もしくは出してから入れ替えると良い。葉にもかけてやると良い。

冬は5度を切ったら屋内に入れ、中の水を抜いて乾燥気味に育てる(仮眠のような状態にするらしい)。最低気温が10度を超えたら屋外OK。屋内で育てる際は乾燥するのでときどき葉水をしてやる。

 

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雄しべは6個で花弁の基部から出る。開花期になると中心の葉が鮮やかな色になる。ブロメリアの花弁は開花後もそのまま残り、水没するとすぐに腐って臭くなりカビも生える。開花後 花柄を残したまま育てるときは、成長点に十分に水が行き渡るよう注意する。
開花するのは1株から1回のみで、開花が済んだネオレゲリアは枯れる。

自家受粉することは稀。受粉は一般通り 花を裂き雄しべを毟って雌しべに触れさせて行う。筆やピンセットなどを使う場合もある。受粉した場合、花の下の部分のシードポットにぬるぬるのカプセルに包まれた種がたくさんできるらしい。

受粉に関して、ネオレゲリアではありませんがエケベリアの自家受粉の記録があった。雌しべがしっとり濡れているような状態が受粉出来るサインらしい。https://indoor-hobbies.com/indoorhobbies/2019/07/02/taniku-16/

 

日光など

屋外では半日陰などの強い光を好む。直射日光も大丈夫だが、夏は20%~40%ほど遮光してやると葉焼けの心配もなく良いとされている。強光下で育てると葉の色が濃く鮮やかになる。

子株は親株の2/3ほどまで成長するのを待ってからランナーを3cmほど残して切り取り、発根の際邪魔になるので枯れた下葉(はかま)は取り、水で戻した水苔でぎゅっと包んでやる。

 

 

の他

学術チックな話

分類はパイナップル科ネオレゲリア属。なのでネオレゲリアはパイナップルの仲間であるらしい。(「ネオレゲリア属はアナナス科に属していてアナナス科の植物はタンクブロメリア(ブロメリア科)とか呼ばれる」、とも。)

Hohenbergia属とAechmea属の掛け合わせがHohenmeaであるように、属を越えた交配種は基本2種の名前をくっつけた名前になる。

 

品種改良において、ある特定の有用な形質をもつ品種を選びだし、その品種同士のかけあわせを繰り返して育種することを「選抜育種」「選抜品種」という。つまり生物学的には同じ種だが別の品種として扱われているものもある。例えばAechmea chantinii 'Demon love'はEbonyの選抜品種。

 

Neoregelia punctatissima 'Joao Marcio'はジョアオマルシオと読み、発見者のジョアン・マルシオ・デ・メロが由来だと思われる。リオデジャネイロのチジュカ近郊で野生で採集された。この種は1954年に最初に記述されて以来、栽培で再発見も確認もされていないらしい謎の多い品種。Seed Parent(めしべ側の親)はampullaceaではないかと言われている。(参考元)

そもそもNeoregelia punctatissimaは、原種ではないという意見もあるらしい。ちなみにプンクタティッシマまたはプンクタティシマと読む。

 

育て方のTipsなど
ネオレゲリアは真夏に気温が原因で色褪せすることがある。色が褪せた個体も気温が下がると色が戻ることもある。
光量不足で緑色の株を、日に当て色付けさせることを「日作りする」という。

ネオレゲリアの近縁種を、水やりに関して乾燥気味に育てることで葉のカールを強めるという育成法を見た。ムーレアナなどに顕著だが、同じ品種であるのに葉の巻き具合や開き具合に大きな差が見られる要因の一つであると思われる。

 

ペンデュラは多湿を好み、いったん脱水症状を起こすと回復不能に陥るような品種(葉が元気なくしわしわになる)。水を切ってはいけないぐらいの心持ちで育てる。

 

ブロメリアの用土についての抜粋 - 「☆Bromeliaceae☆パイナップル科☆【再挑戦】」http://itest.5ch.net/yomogi/test/read.cgi/engei/1153825726/
0470 花咲か名無しさん 2016/06/23 23:19:09
初めてエクメアを買ったのだけど用土初めてなにがオススメ??

0471 花咲か名無しさん 2016/06/24 09:36:30
自分は締めて育てたいから、
水捌け優先の高山植物くらいの用土に
素焼き鉢で毎日じゃばじゃばあげてるけど、
ぶっちゃけ何でも育ちます。
通風と日照のが大事だよ。

0473 花咲か名無しさん 2016/06/24 15:05:21
ブロメリアは基本葉から水分と養分摂るから根は体を支える意味合いが強い
抜き苗なら根本を水苔で巻いて固定して富士砂、赤玉、軽石を混ぜたような排水重視の土で覆ってやるといい感じだったよ
エクメアは葉が柔らかい部類で真夏は遮光50%くらいじゃないと焼けるから気持ち陽は抑え気味で

 

 

参考文献

【FrontierPlants】タンクブロメリアの育て方【フロンティアプランツ】
タンクブロメリアの品種や育て方などについて詳しくまとめてあるサイト。初心者がタンクブロメリアを育てるにあたって必要そうな情報が一通り書いており、内容も非常に分かりやすい。同サイト内の『育て方図鑑』はかなりの数の品種を網羅しており、見ていて楽しい。

 

WEBROMELIA NOTE
サイト管理者が育てている様々なブロメリアについてまとめてあるサイト。日本語でそれぞれの品種について、自分の感想も交えてここまで色々記載しているサイトはないのでは。写真付きで図鑑のように楽しく読める。

 

ブロメリア アナナス クリプタンサス エクメア ネオレゲリア チランジアの画像

 

BCR Bromeliad Cultivar Register>
自分の知る限り一番巨大なブロメリアのデータベース。「Advanced Seach」の項目から品種を検索できる。その品種が何と何の掛け合わせであるかだとかが分かる。

 

FCBS Neoregelia Photo Index Database: - Main Menu.
ネオレゲリアのデータベース。上のやつに載っていないものも、これには載っている場合がある。

 

ネオレゲリア属 - Wikipedia

 

☆Bromeliaceae☆パイナップル科☆【再挑戦】
5ちゃんねるの園芸版に立てられたスレ。